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第4話
いつものグループは、俺、光太郎、兼本、花仟の4人だ。
「あれ、花仟は」
2時間目の終わりに兼本の方に行き聞く。
「んー、休みじゃね?あいつのことだしサボってんでしょ」
花仟 多久美 は、常識人である。
3人の中で1番話が通じると思うし真面目で頭も良い、というか要領が良い。
欠点を上げるとするならば学校をサボるのが問題だ。理由はいつも体調不良。もうクラスの全員が仮病だと思い込んでいるだろう。
しかし俺は知っている。
前に花仟が校内で倒れているところを見てしまった。
すぐさま駆けつけて俺より高い背のそいつを保健室へ運んでいたが花仟の意識は朦朧としていたし本人は覚えていないだろう。
それまではサボりなのだろうと思っていたが、この事があってから今では安易にそうとも思えなかった。
「そーかもな...たぶん」
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昼休みになり、光太郎、兼本と共に購買へ行く、いつも混雑する購買はまさに早い者勝ちの争奪戦争。
「あー、混んでんなぁ」
兼本がそう言うと光太郎は「いつもの事だろ」と素っ気なく答える。
並んでいると兼本がハーフアップにした金髪を揺らめかせ、こちらを向いてきた。
「加瀬さ、放課後時間ある?」
「え、うん」
「ちょっと、話したいことあるからさ」
「なに」
「話してからのお楽しみってことで」
「なにそれ、今日俺、掃除当番だからちょっと遅れるけど」
おけおけ、待つよーん、と言って正面を向く。
話したいこととはなんだろう。
……………………まさか告白とか???!
今少し忘れかけていたBL漫画展開のやつを思い出してきてしまった。
まあそんなことは、本当にどうでも良くて、フラフラなチャラチャラなあの兼本がわざわざ呼び出して話したいこと、とは。
教室に戻ると、花仟が来ていた。
「おぉーーーー!花ちゃん!!」
兼本が花仟の席に駆け寄る。
「おはよ、ゆう」
控えめに笑う花仟は、自分で持ってきた弁当を開いた。
「もう、オハヨーの時間じゃねぇよ?おっせぇんだよ、おそようだおそよう」
光太郎はいつもの調子である。
「来たんだからいーじゃん」
「おい...」
「なゆも、おはよ」
「もー、またサボってんかと思ったわ」
兼本が言いながら、椅子を近づけ花仟の机に昼飯の入ったビニール袋を置く。
「単位は大丈夫だし」
俺と光太郎も花仟の机を囲み、食べ始める。
今日買ったのは日替わりサンドイッチ、物足りなさはあるが安い、だから売り切れる心配もなく安心して買える。
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時は放課後。
だがどうして、兼本に壁に追い詰められてんだ。
「そういうことだから、よろしくしてね」
俺の手をぎゅっと握り強制握手。
「嫌だ、認めないからな」
「無理なんだ、運命なんだよ加瀬」
泣きそうである。
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