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第3話

 数分後―― 「理人さん、いい加減、手、どけてください」 「やだ!」  理人さんは、まだ俺の下で慄いていた。 「なんで抵抗するんですか」 「するに決まってんだろ! 俺、身長伸びたの高三になってからなんだよ!」 「それが?」 「だからっ、今のこのサイズから察するに、高一か高二の身体に戻ってるってことだろ!?」 「そうですね」 「てことは、その……この時の俺はまだ、そ、その、だから……」 「童貞?」 「そっ……れもある、けど……」 「あ、そっか。処女ですね」 「しょ……!」    途端に、真っ赤に染まる高校生の理人さんの顔。  ああ、ほんとにかわい……あれ? 「理人さん、高校時代から木瀬さんのこと好きで好きで好きで好きで好きでたまらなかったんですよね? そういうこと、してなかったんですか?」 「す、するわけないだろ! 高校生だぞ!?」 「じゃあ、理人さんの初体験はいつなんですか」 「ど、どっちの……あんっ」 「わかるでしょ?」  そっと触れた秘孔は、指先を弾くようにきゅうっと窄まった。  幼いアーモンド・アイに、うっすらと幕が張る。  うーん、いちいちかわいいなあ。 「だ、大学一年の……冬」 「えっ、それって理人さんの両親が交通事故で亡くなった時期……?」 「あ、あの時俺ほんとにボロボロだったから……木瀬先輩……航生先ぱ……航生が、一緒にいてくれて、その、そのまま、というか……なんというか……」 「はあ……?」  なんだ、それ。  あんっのやろう。  ――俺が守ってやらなきゃ、って……思っちゃったんだよなあ。  儚げな笑みまで浮かべて、いかにも『しょうがなかった』って雰囲気出してたくせに、思いっきり弱ったところに付け込んでたんじゃないか! 「理人さん!」 「ひいっ!」 「……」 「さ、佐藤くん……?」 「俺、理人さんが好きです。愛してます。どんな姿の理人さんでも、心から愛してます。だからっ……」 「……」 「理人さんの〝ハジメテ〟を、俺にください!」 「やだ……!」  なんでだよッ!

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