4 / 8

第4話

「ここは頷くところでしょ!」 「や、やだ、絶対やだ!」 「なんで!」 「い、痛いもん……っ」 「痛い……もん?」 「つ、突っ込む方のお前には分からないだろうけどな? こっち側は大変なんだ! ヤってる最中は必死だったからなんとか我慢できたけど、それから一週間、トイレ行く度に激痛との戦いで、だからって病院なんて恥ずかしくて行けないし、ほんとにお尻が割れたかと思ったんだぞ!?」 「や、お尻は元から割れてるでしょ。生まれた時から左右に真っ二つじゃないですか」 「そういうことを言ってるんじゃない!」 「あんまり言いたくないですけど、それって木瀬さんが下手くそだっただけじゃないんですか?」 「は……?」  理人さんは、ポッカンと口を開けて間抜けな顔をした。  高校生の理人さんが可愛すぎて興奮しまくってる事実はもうその辺にポイっと放っておいて、ちょっと整理したいと思う。  以前木瀬さんが言っていた『理人のことが好きすぎて怖くて触れられなかった』のが事実なら、たぶんふたりともものすごく我慢していたということなんだろう。  男子高校生なんて下手したら頭の中に煩悩しかないくらい単純な存在だし、ふたりとも若かったことを考慮すると、初めての時は盛り上がりまくったに違いない。  想像できてしまうところがものすごく嫌ではあるけれど、いくらあの木瀬さんでも、理人さんの身体を気遣ったりする余裕なんてなかったはずだ。  だから、理人さんの初体験の思い出に痛みしか残っていないのはきっとそれが理由。  ああ、それにしてもイライラするなあ……。 『あの時』とか、『木瀬先輩……航生先ぱ……航生』とか、『絶対やだ……!』とか。 「理人さん」 「……っ」 「痛くしません」 「へ……?」 「そんな思い、絶対にさせない。だから、もう一度言います」  お願いだから、拒まないで。 「理人さんの〝ハジメテ〟を俺にください」

ともだちにシェアしよう!