8 / 22
第8話
(それで良かった)
会うのは金曜の夜だけと決めたのは、海里ではなく湊の方だ。
抱くならば、最低でも手と口だけは拘束しろと条件を付けたのも。
遊んでいると思われた方が、何かと都合が良かったから、こういうプレイが好きなのだと湊は海里に嘘をついた。
場所はいつも湊の自宅。海里の家ではいつ彼女が来るかも知れない不安があるから、自分の家が良いと言った。
なにせ、同じ会社で働いているというだけでもリスクがある。これまでは、体が淋しい時に一夜の相手をネットで探して凌 いでいたのだが、海里に関してはそんな危険を考慮に入れても抱かれたかった。
(好きに……なってたんだ)
最初は体の関係だけで満足だと思っていたのに、拘束しても優しく抱くから、勘違いしそうになった。
そのうちに、こんな風に彼女も抱くのかと考えたら、どうしようもなく苦しくなった。
(だから、俺は……)
「…… さん、星川さん、起きてください」
「んっ…… う」
頬を軽く平手で叩かれ、現実へと引き戻される。名前を呼ぼうと口を開くが、枷が邪魔をして出来なかった。
「ドライで何回かイった後、失神しちゃったみたいです。やっぱり、今までちょっと優しくし過ぎたみたいですね。星川さん、こうされたほうが感じるみたいだ」
仰向けに寝かされている為、すぐ近くまで顔が近づく。見ていられなくて顔を背けると、胸の尖りを強く引かれた。
「うぅっ! 」
「ほら、痛くすると中が締まる。やっぱり俺、星川さんを満足させられてなかったんですね」
少年のように屈託のない笑顔を向けて告げられて、湊は首を振りたくなるが、そうする間もまく挿入 ったままのペニスで中を擦られる。
「んっ、んぅっ」
「ほら、腰が揺れてる。前もこんなに…… 」
戒められたペニスの先で、尿道口がヒクヒクと開閉しているのが、自分自身でも良く分かった。先走りの透明な液を指の先で掬い取り、それを胸へと擦り付けながら、更に抜き差しを激しくされれば、湊の頭は真っ白に染まり、快楽の渦に飲まれてしまう。
ともだちにシェアしよう!