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第13話

「ホント、あんた、ろくでもないな」  これまで聞いたこともないような冷たい声音が響いた刹那、心臓がギュッと絞られたような切ない痛みを湊は覚えた。 「こんな所に俺を呼んで、何をさせるつもり? 助けて欲しいの? それとも…… プレイ中だった? 」 「ん…… あぅっ! 」  静かな怒りを含ませた声で意地悪な言葉を紡ぎながら、海里は湊の口へ嵌められた猿轡を手際良く取り去る。 「相手の男はどこに隠れて見てんの? 」 「…… ちが、ちがうっ」 「へえ、じゃあ星川さん、本当のドエムだね。こんな状況で勃起してるし、それにここ…… 」 「あっ、ああっ! やめ…… 押すなっ」  ぽってり膨らみ音を立てている下腹部を押され悶えるけれど、海里はまるで新しい玩具を見つけたみたいに、そこを押したり撫でさすったりを執拗に繰り返した。  知らぬ男にいたぶられている間は反応しなかったのに、海里の顔を見た途端、浅ましくも勃ちあがってしまった己のペニスが恨めしい。 「星川さん、本当に一人? 俺にこれを送った相手は? 」 「くっ…… あふぅ、も、かえった」  目の前にスマホの画面を翳され顔を背ければ、 「見ろよ」 と低い声が響いて、髪を鷲掴みにされる。 「ソイツは星川さんの新しい恋人?」 「……しらない、きょう会って……名前、知らない……おねがいだから、たすけ……」  肩で浅く息をしながら、途切れ途切れに助けを請うが、海里はベッドに浅く腰掛け、勃起しているペニスを掴むとそれを上下に扱きはじめた。 「……やめろっ、あっ、あうぅっ」 「ここ、膨らんでるけど、中に何が入ってるの?」  片方の手で下腹を圧され、言い訳すらも思いつかないから湊は事実をそのまま告げる。と、深い溜息を吐いた海里は、掴んでいるペニスを離し、そこを平手でバシリと叩いた。

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