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第16話
「も…… だめ、おねがい…… しぬ」
「ああごめん、我慢させ過ぎたね。いいよ、好きなだけ出しな」
切れ切れに、絞り出すように紡がれる湊の哀願に、これ以上は流石に危険と海里は即座に判断し、湊の後孔を埋めるプラグを、少しずつ引き抜いていく。
「あ、はぁ…… ん、ウゥッ! 」
その間、爪先を立て、膝をガクガクと震わせていた湊だったけれど、一番太い部分が肛門を通り抜けたその刹那、声にならない悲鳴を上げて体を激しく痙攣させた。
***
(夢だ。これは…… 悪い夢…… )
そうでなければ、ここまでの事を海里が自分にする筈がない。行きずりの男にされた事までは仮に事実だとしても、ラインで写真を送ったくらいで彼がここまでくる筈もない。
「起きて、湊」
頬を軽く叩かれる痛みに意識は徐々に戻ってくるが、怯えた湊は瞼を開けず体を丸めて耳を塞いだ。
すると、右の手首をいきなり掴まれ、いともたやすく仰向けへと返される。
「あ…… 」
「まだ終わってないよ」
どこか楽しげな表情を見せる海里の手には、ヘッド部分が外されたシャワーのホースが握られていて、背中に感じる硬い感触に、湊はここがバスルームであるとぼんやりだけれど理解した。
「持田…… も、大丈夫だから……」
出て行ってくれと言いたかったが、鋭い視線に気圧された湊は、言葉を飲み込んで視線を逸らす。
「は? なに言ってんの? 助けてやった上に男にションベン注がれて悦がる公衆便所の掃除までしてやろうって言ってんだ。被害者面 してないで少しは俺に感謝しなよ」
「やっ…… あ、いたいっ! 」
手首を離した海里の掌にペニスの根本を強く掴まれ、「さっきトイレでひり出しながら、達 った淫乱は誰だよ」と、馬鹿にしたように告げられた。
(やっぱり、夢…… じゃない)
すべて夢だと思いたかったが、そう簡単に現実逃避をさせては貰えないらしい。湊が羞恥に睫毛を震わせ、小さな声で「ごめん」と呟くと、舌打ちの音が風呂場へ響き、次いで体がうつ伏せにされた。
「ほら、ケツ上げろよ」
「……くぅっ! 」
臀部を強い力で叩かれ、痛みに新たな涙が出るが、湊は肘に力を込め、這った状態から膝だけを立て、なんとか腰を浮かせてみせる。
「中まで丸見えだ。これ、戻りきらなかったら一生プラグ生活だね」
「ふ…… ぐぅっ、あっ…… あぁっ!」
ぽっかりと開いた後孔の中へ指を数本挿し入れられ、前立腺を直接押されて愉悦に体が戦慄いた。
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