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シロクロメガネ①

 メガネは巨根。  なぜならメガネの本名は(たかむら)セルゲイ幸村(ゆきむら)で、お祖父ちゃんロシア人で、小学生の時はムラムラなんてアダ名つけられちゃって無言でポロポロ涙こぼしちゃってる巨人だったから。  「その説明に悪意しか感じないんだけど」  メガネは机に座ったままたいして高さの変わらないシロの目を睨むように見上げた。  今日もシルバーフレームは神経質そうでタマリマセン。  「悪意なんてないよー。」  シロは悪意なんて全くないみたいなまっさらな笑顔で笑って大仰に両手を振った。  「メガネとエッチしたのバレちゃって怒られたからクロが三者面談しよーってそれだけ」  すぐ日焼け止め忘れちゃうおバカなシロの首筋はぷつぷつ水疱ができて赤い。  本当は痛いはずなのに全然気にしないで笑う。  「その説明がすでに悪意まみれだし、大体合意の……ソレじゃなかっただろ」  「ソレってどれ?インサート?フェラ?中出し?」  「全部だ!全部!あとお前デリカシーもない!」  シロは真っ赤な目をくるんくるんさせてメガネを見る。  デリカシーってなに?ソレ、きもちいーの?  あったところでヤることヤりたいだけなのにそんなの装備する必要あるの?  聞こえない言葉が聞こえてくるみたいでメガネは眼鏡を外して鼻梁を揉んだ。  この双子にかかわり合うと録なことはない。  見目ばかり有能な兄弟はちょっとばかり貞操観念がおかしい。  おかしいってか、ぶっ飛んでる。  初めて会った時こそ、真っ白な直毛に透ける肌、神秘的な赤い目の至朗丸と、肌は白く、瞳と髪が真っ黒な久朗丸はまるで一対のビスクドールのようだった。

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