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第3話
「まぁ、家に帰ってからでも考えてみなよ。原因が解かれば、結婚を前提に付き合える女の子をゲットできるかもしれないんだ」
「そんな遠い未来の話を……」
直人は呆れたが、まぁこの親友がタコ焼きまで奢って慰めてくれたのだ。
その場は別れて家路についたが、もう一度見上げた空には、うっすら夕焼けが引かれていた。
「2か月、か」
直人は梓の提示したこの数字について、考えてみることにした。
梓は、空を見上げた。
雲の隙間から覗く、バラ色の光。
まるで、今の僕の心みたいだ、と口角を上げた。
直人が、女の子に振られた。
また。
これで何度目だろう。
直人が女子と付き合うたびに、やきもきしていた。
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