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第一章・7
沸かした湯に、清潔なタオルを浸す。
熱湯にくぐらせたタオルを絞るのは熱くてたまらなかったが、ほかならぬヴァフィラのためだ。ここはひとつ我慢だ。
硬く絞ったタオルで、そっとその美しい額の汗をぬぐった。
額から頬、顎、首筋。
そして、細心の注意を払いながら、ルドーニはヴァフィラからその身にまとうものを脱がせ始めた。
ひゅう、と大きく息を吸ったヴァフィラの喉が鳴った。
「や……めろ。何をする……」
「何にもしやしねえって。体拭くだけだって」
ヴァフィラは、必死で抵抗しようとした。
だが、高熱におかされた体は思うように動かない。
わずかに体を傾けるだけでも、吐き気を伴う頭痛が襲う。
ヴァフィラは、なすすべもなく寝着を剥がされていった。
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