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第一章・8

 ひどい汗だ、とルドーニはヴァフィラの寝着を脱がせながら眉をひそめた。  以前もこのように体調を崩したヴァフィラを介抱したことはあったが、ここまでひどい症状は初めてだ。  やがて、力なくもがくヴァフィラは一糸まとわぬ姿をルドーニの前にさらした。  (犯される)  ヴァフィラの熱にうだった頭に、ぞっとする思いがよぎった。  そう言えば、これまでルドーニが自分に対して行ってきた態度をたどれば思い当たる節もある。  ヴァフィちゃんなどとなれなれしい口をきく、髪に手を触れる、何かにつけて体を寄せる、腰に手を回す。  酔った挙句に言い続けてきた口説き文句は、女性のような容姿を持つ自分に対する冗談ではなく、本気だったのか。    抵抗しようにも体が動かない。  ヴァフィラは眼を閉じ、唇を噛んで生まれたままの身をさらす恥辱に耐えた。  体の熱だけではなく心が発する熱も手伝って、彼の白磁の肌は淡い桜色に染まっていった。

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