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第一章・13
「これでまぁ、一安心かな」
わざわざ独りで口に出して、あくまでも看病なのだと自分に言い聞かせる。
さて、と膝を勢いよく叩いて立ち上がると、汗で濡れたヴァフィラの寝着とシーツを抱えて寝室から出た。
「お洗濯、お洗濯っと」
このまま寝室に居続けると、ヴァフィラの無防備な寝顔を見ていると、鋼の決意がどんどん揺らぐ。
ルドーニは家事で体を動かすことでその欲望を逸らすことにした。
試練はまだまだ続くことも知らず、鼻歌など歌いながら洗濯桶に水を注ぐルドーニだった。
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