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第二章・4

 はむ、とまったく無防備にそれを口に運んだヴァフィラに、ルドーニは慌てた。  そっそんな食べ方をしたら! 「熱ッ! あッツ!」 「言わんこっちゃない!」  ハフハフどころかハヒハヒ言いながら、ヴァフィラは激熱ラザニアを口の中で転がした。  出すことも飲むこともできない。  ルドーニが差し出したワインを急いで口の中に流し込んで、ようやく飲み下すことができた。  味も何も解かったもんじゃなかった。 「だから言ったろ」 「こっ、こんなものを口にするお前の方がおかしい!」  しかしながら、熱さのために顔を真っ赤にして涙目になっているヴァフィラは可愛い。  まぁまぁ、となだめて食事を再開するよう促した。 「……」 「ん? どうした?」 「舌をやけどしてしまった」  せっかくの美味しいラザニアなのに、これでは楽しめない。  しゅん、としているヴァフィラに、ルドーニは不謹慎ながら嬉しくなった。  正直、ここまで自分の料理を評価してくれてるとは思ってなかったから。

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