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第三章・3

 ヴァフィラの心臓は、口から飛び出しそうになるまで激しく鼓動を打ったが、ルドーニはそれだけ言うと再びテーブルへ戻り酒宴の後片付けを始めた。  ヴァフィラは逃げるように寝室へ飛び込み、ベッドへもぐりこんだ。  顔が赤い。体が熱い。心臓が高鳴る。 「……ルドーニ」  その名を口にしてみる。  全身の細胞が、一斉に騒ぎ出す。  毛布を頭まで被って、体を丸くした。  何だろう。  この気持ちは何だろう。  この身のざわめきは何だろう。  寝室に、ベッドに入りはしたが、ヴァフィラはしばらく寝付けなかった。

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