34 / 459
第三章・5
「悪い病気なんじゃねえの」
「うゎ、笑えねえ」
(病気!?)
ヴァフィラは眉をひそめた。
あのルドーニが病気。
突いても死なないような、あの男が病気?
何の病気だろう。治るのだろうか。
ヴァフィラはもう、その場に潜んでいられないくらいそわそわしてきた。
早く確かめねば。そして、治療を勧めなければ。
「確かに病気だな。しかも、不治の病」
(不治!?)
ヴァフィラは青くなった。
まさか、治らない病などとは。
脚が震える。
柱に身を預けないと立っていられないくらい、気が動転した。
「そうだな。あれは不治の病だな。どんな名医でも治せないな」
あぁそんな、とヴァフィラは手で口を覆った。
どんな名医でも治せないとは!
治す方法は、他にないのか!?
ともだちにシェアしよう!