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第三章・7
何もできぬまま、日々は過ぎてゆく。
とりたてて、それはもうルドーニには変わったところは見られない。
相変わらず軽口をたたき、おどけ、たまに仕事の話を交わす。
死にかけた私を、身を挺して救ってくれたルドーニ。
今度は私が彼を救う番だ。
それなのに。
お前は病気なのか、不治の病なのかと切り出すことがどうしてもできない。
言葉にするのが怖い。
そうしてしまうと、本当に彼がもう手の届かない遠くに行ってしまうような気がして。
そうこうするうちに、ルドーニの方からヴァフィラの前にやってきた。
「よかったら今夜一緒に飲まないか? いい酒が手に入ったんだ」
ご機嫌なルドーニの顔に、ヴァフィラは二つ返事でOKした。
これはまたとない機会だ。
今夜、その病とやらの話を訊いてみよう。
ヴァフィラは心にそうしっかりと刻むと、意を決して夜を迎えた。
だが、言い出せないまま結局先に酔いつぶれたのはやはりヴァフィラの方だった。
情けない、と長椅子の上で歯噛みした。
いや、今からでも遅くはない。
きっ、と顔を上げると、テーブルのルドーニの方を見やった。
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