55 / 459
第三章・26
「いくぜ、ヴァフィラ。いいか」
腰の動きが一段と速まり、ヴァフィラはルドーニの背中に爪を立て、髪を振り乱して悶えた。
「あッ! ああ!」
熱い体液が、ヴァフィラの内に注がれた。
体内を浸していく、自分以外のもののぬくもり。
眼を薄く閉じ、口で大きく呼吸しながらヴァフィラは余韻に浸った。
まだ体が小刻みに震えている。
ルドーニがゆっくりと引き抜かれる時、名残惜しいとすら感じた。
「ヴァフィラ」
ルドーニが、震える体を抱きしめキスしてくれた。
髪を撫で、いたわってくれる気持ちが嬉しかった。
「悦かった?」
「……ん」
あとはふたりで抱き合って眠った。
素裸のままだったが、ルドーニのぬくもりに包まれて、風邪をひくことなどなかった。
ともだちにシェアしよう!