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第四章・4

 長い長い会議はようやく終わりをつげ、それぞれがそれぞれの場所へと散ってゆく。  ライファはルドーニに、いたずらっぽく片目を閉じて見せた。  やはり思った通り、心ここにあらず、といった状態だったようだ。  ルドーニはやれやれ、とため息をつき、ライファの額を小突いた。 「まったく。一体何を考えてたんだか」 「すまん。助かった」 「どうせ、今夜の献立の事でも考えていたんだろ?」  だが、その言葉にルドーニはうんとは言わなかった。 「そんなくだらないことではないぞ。俺にとっては非常に重大な事を考えていたんだ」 「ほう。何だ、それは」  そう突っ込むと、ライファは眼を逸らしあらぬ方へと泳がせた。 「それはちょっと、言えない」  なんだ、やっぱり献立の事じゃないか、とルドーニはそれ以上追及するのをやめた。 「よかったら、これから一杯やらないか」 「すまん。ちょっと用があるんだ。今度、付き合うから」  取りつく島もなく、そそくさと目の前から去っていくライファ。 「今からすぐに、報告書を書く気でいるのかな」  のんびり屋のライファらしくない、とルドーニは考えたが、事は緊急を要するのだ。 「さすがのライファも、焦っているんだかなぁ」  だが、ライファはその頃、実にライファらしからぬ事をしていたのだった。

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