65 / 459

第四章・7

「何かな。その質問とは」 「ヴァフィラ、お前はどこをどう弄ってもらえば、気持ちが悦いか?」 「うッ!?」  かっ、とヴァフィラは耳まで赤くなった。  ななな何という質問を!?  返答しかねているヴァフィラに、ライファは無邪気に畳み掛けてくる。 「やっぱり乳首かなぁ。俺にはそれくらいしか思いつかん。だったら、どうすれば一番感じるのかな?」 「どう、って」 「吸うとか、舐めるとか、齧るとか、いろいろあるだろ? お前はどれが好きかな」 「まッ、待ってくれライファ!」  ライファの放つエロワードを聞いているだけで、ルドーニの唇が、舌が、歯先の感触が浮かんでくる。  体の奥がじんじんと昂ぶってくる。  ヴァフィラは腹から絞り出すように、必死で逆に問うた。 「待ってくれ。いきなり何て事を。まさかお前、私をそういう眼で!?」  これにはライファの方が慌てたように、ぶんぶんとかぶりを振った。 「いや、そんな意味ではなくて! 実は、俺にも大切な人間ができてな。でも、どうすれば悦ばせてやれるのかが解からないんだ。経験不足、というやつでな」  いくら考えても解からん、とため息を吐くライファの顔はまるで幼く、他意はない。  しかしながらヴァフィラはもういたたまれなくなってしまって、早口で精いっぱいの助言をライファに投げかけた。

ともだちにシェアしよう!