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第四章・9
ヴァフィラは、水浴を好んでいた。
浴びるだけではなく、その身を全て水の中へと沈めてしまうのだ。
バスタブに冷たい清水を張り、ヴァフィラは静かに体を浸した。
ほぅ、とため息をつき、水の心地よさに身を、心をゆだねた。
瞑想に耽ろうと眼を閉じる。
だが心に浮かんできたのは、先ほどのライファの突拍子もない質問だった。
『吸うとか、舐めるとか、齧るとか、いろいろあるだろ? お前はどれが好きかな』
自分の胸に、眼を落としてみる。
桃色の、小さな尖り。
ルドーニの唇が、舌が、歯先の感触が浮かんでくる。
ヴァフィラは、震える指先でそっと乳首に触れてみた。
ルドーニの動きをなぞるように、いじってみる。
(ここを撫でて)……指腹で乳輪に触れる。
(舌で舐め上げて)……尖りを下から上にすくう。
(唇で挟んで……)指で軽くつまむとルドーニの歯先の感触が呼び起された。
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