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第四章・20
「あッ! あっ、あぁあ!」
ひときわ高い声をあげ、ヴァフィラはぐったりと脱力した。
荒い息を吐き小刻みに震えながらも、その両腕はルドーニの背にまわしたままだ。
「まだまだいける、って事?」
返事の代わりに、ヴァフィラの腕にわずかに力が入る。
ルドーニはくすりと笑うと、その体を抱きかかえた。
寝室へと進み、今度は広いベッドの上で二人はたっぷりと愛を交わした。
気が付くと、夜明けが近い。
ヴァフィラは、ルドーニの腕の中ですうすうと寝息をたてていた。
(満足げな顔しちゃってまぁ)
ヴァフィラの頬に、キスを落とす。
「ん」
うっすらと眼を開けたヴァフィラの髪を撫で、ルドーニはささやいた。
「素敵だったよ、ヴァフィラ」
その言葉がはたして届いたのかどうか。
ヴァフィラは再び、ことんと眠りについた。
その姿を確かめてから、ルドーニは彼を起こさないようにそっとベッドから降りた。
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