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第五章・3

 後は延々と、ルドーニが現場で自分たち下位の者に対していかに心を配ってくれたか、だとか、あわや敵兵と一戦交えそうになったという時にいかに勇猛にそれを退けてくれたか、だとかを熱弁してくれた。  さすがのヴァフィラも、彼の妻が次第にイリイリし出したことに気づき、そこそこに礼を言って下がってもらった。  興奮した班長兵はまだ喋り足りなさそうではあったが、やがて妻に小突かれながら人込みに消えていった。    無事なのだ、という事が解かるとホッとした。  そうなると、早く会いたい。  一刻も早く、その顔が見たい。  だが、人の波が消えてしまっても、ルドーニは現れなかった。  いつまでもひとりぽつんと凱旋門に立っているわけにもいかず、ヴァフィラは考え抜いた後、歩き始めた。  帰ってきたら、まずはここへ戻るはず、との思いからルドーニの私宅の扉を開けた。

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