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第五章・10

『そうだな。好きだ、ルドーニ』  先ほどの、ヴァフィラの見せた潤んだ瞳が浮かんできた。  食欲が満たされると、性欲が頭をもたげてくる。  久々の酔いも手伝って、ルドーニはちょっと意地悪くヴァフィラに声をかけた。 「なぁ。俺がいない間、大丈夫だった?」 「当然だ。サロランニの守りは鉄壁だ。お前ひとりいないくらいでは、どうということは」 「そうじゃなくってぇ。ヴァフィちゃんが、ってこと」 「私? 私がどうかしたか?」 「最後に会った夜、ノリノリだったろ? あんな風に体火照らせて、困ってたんじゃあないの?」  さっ、とヴァフィラの顔が真っ赤に染まった。  何という事を!   ようやく忘れかけていたというのに! 「おねだりヴァフィちゃん、可愛かったなァ♪」  ルドーニの手のひらはヴァフィラの手に重ねられ、指の間をくすぐり始めている。  何も言い返せず、ただ頬を赤らめもじもじしているヴァフィラ。  その手を取って、指をちゅぷと咥えてひと舐め。 「ひとりエッチとかしてた? 俺の事、考えながら」 「やめろ」  やめろとは言うが、その声にはまるで説得力がない。  指をいじられているだけで、熱い息を吐いているヴァフィラがそこにいた。

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