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第五章・13

「やめろ! あッ、あぁ。ぃやぁッ!」  ヴァフィラの哀願に、ルドーニは口を離してにやりと笑った。 「どう? 俺の愛情の深さ、解かってくれた?」  涙のにじんだ眼で、ヴァフィラはルドーニを見つめた。  勝ち誇ったようなルドーニの表情。  こんなこと、お前にはムリだろ? と語りかけている。  ヴァフィラは、うつむいて震えた。  その姿に、ルドーニは一息ついた。  心にいじわるな棘を立てたことを、少し後悔した。  ちょっと刺激が強すぎたかな。  だが、男のものを咥えるなど、ルドーニにとっても初めてだ。  まさか俺が、こんな事をする日がこようとは。  久々のセックスに昂ぶっているのは自分も同じだな、とルドーニは可笑しくなった。  さて、と改めてヴァフィラに挑みかかろうと身を起こした途端、突然ルドーニは後ろに突き飛ばされた。 「わわッ!?」  間髪入れずに、ヴァフィラがのしかかってくる。 「何!? どうしたの、ヴァフィちゃん!?」 「私だって。私、だって!」 「ヴァフィラ! ちょっと!?」  ヴァフィラの唇が、ルドーニのものを深く深く咥えてきた。

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