94 / 459

第五章・15

 付き合った女性や娼婦に、口淫してもらったことは何度もある。  技術は到底及ばないかもしれないが、ヴァフィラのそれは今までのどんな行為よりルドーニを興奮させた。  もういい。解かったから、と言うつもりだった。  だがしかし。  ヴァフィラにとっては、ルドーニが初めての相手だ。  これまで誰の色にも染まっていない、純白の心と体を持っている。  そんなヴァフィラを、自分の色に染めあげてみたい欲望がルドーニの胸に突き上げられてきた。 「手を添えて、先の方ぺろぺろしてみて」 「こうか?」  ぴちゃぴちゃと音を立てながら舌を躍らせるヴァフィラの姿は、ぞくぞくするほど官能的だ。 「ぅん。次は、横の方舐めて。そう。下から上に向けて」 「ふッ。んッ、う」  言いなりに動くヴァフィラ。  無垢で純粋だ。  それを、どんどん汚してゆく背徳的な快感に、ルドーニは眩んだ。

ともだちにシェアしよう!