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第六章・16

「その、今夜一緒に食事でもしないか?」  いつもならルドーニの方から言いだすような言葉を、ヴァフィラは自ら進んで口にした。  ルドーニは少し驚いたような顔をしたが、すぐに満面の笑みを返してきた。 「喜んで」  ヴァフィラは、大きな蟹をたずさえて私宅への階段を登った。  大きな蟹は自分でちゃんと歩いたので、苦労はなかった。

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