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第六章・20

 この声が、苦しげな悲鳴に変わったり、速まったりしたら。  そうしたら、突き上げが激しすぎるという事。  できるだけ、気持ち悦い声で啼いてもらえるように腰をやった。  優しく、ゆっくりと、ていねいに。  冷静だが、冷めたセックスと感じたことは一度もなかった。  ヴァフィラが悦んでくれることが、なによりなのだ。  それに、お返しは充分受け取っている。  この愛らしいさえずり。  切ない吐息。  感極まった悦楽の表情は、この世でただひとり自分だけに見ることが許された特権なのだから。 「ヴァフィラ、内に出していいか?」  久々の行為に、体に負荷がかかっているかもしれない。  念のため、ルドーニはヴァフィラに問うた。  ヴァフィラの潤んだ瞳には、涙が浮かんでいる。  うなずくと、ぽろりと一粒こぼれた。  それが引き金となって、ルドーニから熱いものが勢いよくヴァフィラの内へと渡された。

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