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第八章 サワークリーム・ラブ

 いい匂いだ。  ルドーニは、鼻をひくりと動かした。  甘く、優しく、それでいて凛とした自己主張のある香り。  風に乗って運ばれてくる、いい匂い。  初めて経験するその正体をつきとめたくて、ルドーニは香りのする方へと足を向けた。  香りの先には、少女がいた。  自分と同じくらい、いや、少し幼いその人物は、初めて経験する香りと同じく、初めて眼にする美しさだった。  まるで天使のような。  いや、天使のように甘ったるくはない。  気高い、まるで幼い美神のようなその姿。  魂を、素手でつかまれたような心地になった。  

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