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第八章・11

 サワークリームは、作る人間によって微妙に風味が違ってくる。  ヴァフィラのサワークリームは、どんな味だろう。  表の氷室から戻ってくると、ヴァフィラはオレガノをきざんでいた。 「台所に立つヴァフィちゃん、イイかも♪」  後ろから両腕で抱きすくめると、困ったように身じろぐヴァフィラが可愛い。 「ふざけてないで、サワークリームの味見をしてくれ。口に合うか心配なんだ」    ルドーニは匙を手渡すヴァフィラの手首をつかむと、そのまま彼の指をサワークリームの中へ突っ込んだ。 「ちょ、何をする!」 「味見味見♪」  サワークリームのついたヴァフィラの指を咥え、ルドーニはちゅぅうと吸った。  口の中に指を突っこませたまま、舌でぺろりと舐める。  そのままじっくりと舐めあげ、指と指の間まで舌を這わせるとヴァフィラは熱い息を吐いた。

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