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第八章・14

 かたくなで、人を寄せ付けなかったヴァフィラ。  それが次第にほぐれてゆく姿を見るのは嬉しかった。  ヴァフィラの魅力を、大勢の人間にもっともっとよく知ってほしかった。  だが、行き過ぎは返って毒になることをルドーニは知った。  皆と仲良くしてほしい、でも、俺だけのものでいてほしい。  相反する願いは贅沢だろうか。  想いを振り払うように、ただルドーニはヴァフィラを求めていった。

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