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第八章・26

「でも、すっごく美味しかったから、また作ってくんない?」 「……今度は、まともに食べるのだろうな?」 「や、ヴァフィちゃんのご希望とあれば、どんな食べ方でもするけど?」 「ふざけるな!」  しかしながら、その特殊な味わい方にとろとろになってしまった自分がここにいる。  そして、いつも大人の余裕を失わずスマートに身をこなしてきたルドーニの意外な一面。  彼の、あんな姿を見られるのなら。  たまになら、いいかも。  ふいに浮かんだ恥ずかしい考えに、ヴァフィラは慌ててぱくりとジャガイモを頬張った。

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