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第九章・2
「ッ、く。んぅ、くッ!」
果てる時も、声をあげるのは俺の方。
そしてその滾りを注がれながらも、ディフェルは鼻から抜ける細い喘ぎをこぼすだけだ。
熱い時を過ごし終え、寄り添って息を整える間に、ディフェルはナッカにキスをする。
静かに、優しく。
その猛り狂った心身を癒すかのように、穏やかに口づけてくれる。
そんなディフェルに、ナッカの甘えた気持ちが湧きあがる。
「ディフェル。俺の事……好き?」
何度同じ言葉で、同じことを確かめただろう。
そして彼の返す言葉もまた、いつも決まっているのだ。
「愛してるよ、ナッカ。当たり前だろう?」
その返事に安らぎ、ディフェルを抱き寄せ眠りに落ちる。
二人でキスを交わし合いながら、いつのまにか寝入ってしまう。
そんな、俺とディフェルの恋。
(でもちょっと、物足りないんだよなぁ)
こんな、贅沢が頭をよぎる。
もっと感じて、もっと燃えて。もっと激しく、もっと狂って。
互いに、滅茶苦茶になるほど愛し合いたい。
ディフェルに胸の内を、本能をもっとさらけ出して欲しい。
もっと貪欲に、俺を求めて欲しい。
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