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第九章・25
「ルドーニ、何か暑くないか?」
「そうか?」
言われてみればそのように感じないこともないが、ヴァフィラほど暑くはないはずだ。
何せ目の前の彼の頬はすっかり上気し、バラ色に染まっているのだから。
「熱いお茶を、飲みすぎたかな」
そう言うと、ヴァフィラはふぅと大きく息をついた。なんだか息まで熱く感じる。
体温が上がり、のぼせあがってくるような気分を訴えるヴァフィラに、ルドーニは腕を伸ばした。
「まさか、熱でもあるんじゃ」
ヴァフィラの額に、ルドーニの大きな掌が当てられた。
「……ッ!」
ぴりっ、と鋭い感覚が走る。
背筋を通り、体の中心に溜まってゆく。
ヴァフィラは、たまらず両脚を擦り合わせた。
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