212 / 459
第九章・27
「おい、大丈夫か。ヴァフィラ」
壁にすがりつき、そのままずるずると床に落ちてゆくヴァフィラ。
ルドーニは慌てて椅子から立ち上がると、彼のもとに駆けつけてその体を支えた。
「ダメ、だ。ルドーニ……ッ」
彼の腕が、体が、腰が、脚が触れてくる。
私の、この発情した体に密着してくる。
いけない。
そう思った時は、もう遅かった。
「は、あぁッ……んッ……」
首をそらせ、薄く瞼を閉じて悶えるヴァフィラの全身から、欲情の香りがする。
フェロモンが、立ち昇る。
「ヴァッ、ヴァフィラ!?」
ルドーニの声に、は、と我に帰ったヴァフィラは顔から火が出そうだった。
なんてことを!
私としたことが、なんてはしたない真似を!
ともだちにシェアしよう!