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第九章・31

 ぱしゃん、と水の音。  清水を張った浴槽に背を預け、ルドーニはヴァフィラと向い合せになっていた。  時折、小さく悲鳴をあげ身悶えながらルドーニの上で動くヴァフィラ。  水の中でひとつに交わり、ヴァフィラは自ら激しく腰を振っていた。 「んッ、ぅン。はッ、はッ、んぅうう……ッ」  はぁはぁと荒い息を吐きながら必死で動くヴァフィラの背中を、腰を撫でさすりながらルドーニもまた昂ぶっていた。 (何か妙だ)  そんなことを、漠然と考えていた。  確かに、二人で愛し合うのは久しぶりだ。  しかし、だからといってヴァフィラがここまで乱れるか? 「あ! あぁ、もうぅ! あ、ぁ、あぁあッ!」  さらに腰をくねらせ、思いきり背を反らせたあと、ヴァフィラは精を吐いた。ふわり、と澄んだ水の中に拡がっていく白い体液。  はぁはぁと呼吸を整えながらも、まだ腰を擦りつけてくるヴァフィラ。  その貪欲さに、ルドーニの体もすでに焼けつくようだった。

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