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第九章・32

 体を清め、水を拭き取ることも早々に、キスを交わしながら縺れるように寝室へ。  ベッドの上に勢いよく転がると、ヴァフィラはルドーニのものにすぐ手を伸ばしてきた。 「おっと。じゃあ、俺も♪」 「え? あ! あぁッ!?」  ルドーニを掴むヴァフィラを、嬲る体位を取った。  69の形で、ルドーニはヴァフィラを手で静かに扱き、その先端を唇で銜え込んで舌でくるくると舐めまわした。 「ッく。あぁッ……」  ルドーニを手に握っただけで、ヴァフィラはたちまち動けなくなってしまっている。 「あッ、あッ、ルドーニッ……」  ぺろん、と大きく舐めあげた後、裏筋を指先でなぞりながらルドーニは喉で笑った。 「がんばれよ、ヴァフィラ。どっちが先にイッちまうかなぁ?」  そんな意地悪な、とヴァフィラは唇を噛んだ。  答えなど、解かりきってる!  でも、今日は。  なんだか今日は、ただ彼に施されるだけでは満足できない自分がここにいる。    受け身で与えられるだけでなく、何かせずにはおられない、突き上げるような性の衝動が体の奥底からどんどん湧き上がってくる。

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