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第九章・36

 バラの香りがする。  紅茶では味わうことのなかった、濃厚なバラの香りが、ルドーニの体を霧のように包む。 「あぁ、んッ、あ。あ、はぁッ。はぁ、はぁ、あぁ……ッ」  ヴァフィラの喘ぎとともに、荒く吐かれる息とともに、バラの香りが包んでくる。 「ヴァフィラ、どう?」  いつもより、やけにそそる、蠱惑的なヴァフィラ。  そしてルドーニもまた、いつもより深い官能を覚えていた。 「あぁ……、悦い……。すごく、気持ちが……あんッ!」  情事の最中に、こんなことを口走るヴァフィラもまた珍しい。  いつもなら恥じ入り、耳まで真っ赤にして顔を背けるはずなのに。 「そうだろ? 俺もだよ、ヴァフィ、ラッ!」  ぐりりッ、と激しくその硬い先端をヴァフィの腹側に擦りつけた。  彼が最も感じる、体内の急所を散々嬲りあげた。

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