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第九章・37

 眼が眩む。  思わず閉じると、闇の中に拡がる濃い緑。  深く、遠く、どこまでも続く緑に絡む、重くて暑い大気を感じる。  その中にひらひらと舞い踊る、原色の蝶。  いや、あれは蝶か?  音なく羽ばたくその翅は、バラの花びらではあるまいか。 「あ、やめ……ッ! あぁ、もう、もう……あぁんッ!」 「ヴァフィちゃん、ヴァフィラ。何か、なンか、今日はエロいよ? お前ッ!」  「あ、あぁ! ぅあッ! あッ、あんッ! は、あぁあッ!」  出る、と感じたが、ルドーニは自分の根元をしっかり握って射精を堰き止めた。  まだだろぅ? もっと、もっと欲しいだろ? ヴァフィラッ!  あぁ、ルドーニ。もう、もうダメだ。早く、早く欲しい。お前が欲しい。  でも、もっと。もっとこの悦楽に酔っていたい。  永遠に、お前と一つになっていたい!  激しくぶつかり合う肉の音と、擦れ合う肌の感触。  接合部のねちっこい水音に、バラの吐息。  精の匂いと、絶え間ない悦がり声。

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