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第九章・40
元はと言えば、お前がバラの香料だと渡してきたんだぞ、と至極当然のことを言うと、ようやくナッカは真顔に戻った。
「あれ?」
「あれ? じゃあねぇだろ! オラァ!」
胸ぐらをつかまれながらも、ナッカは待て待て待て、とルドーニをぺしぺし叩いた。
「でも!? でも、媚薬って解かっちゃった、てぇことは!? 効果を実感したってことだよな? ねねね、ヴァフィラと、寝たの!? ヤッちゃったの!? 二人は今既に、ラブラブなのぉ!?」
「うッ!」
やばい。
もちろんルドーニは、すでにヴァフィラとは友情をはるかに超えた深い愛情でひとつになっていることを、ナッカには打ち明けていない。
おしゃべりな彼に、そんな秘密を漏らしたりすればどうなるか。
たちまちのうちに城下はもちろんの事……以下略。
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