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第九章・41

「俺様はまぁ、理性の塊のような男だから? 自分はちゃんと抑えたし、ヴァフィラには紳士として接して介抱したし?」  ホントかなぁ、とジト目でこちらを伺ってくるナッカの視線が痛い。 「まぁ、そういうことだから! 今後、気をつけるように!」 「へ~い」  後はすぐさま背中を向け、そそくさと去りゆくルドーニに、ナッカは思い出したように声をかけた。 「あ! そういえば、バラの香料まだ残ってるんだけど! 今度こそ、ヴァフィラにプレゼントしない!?」 「いッいらん!」  また酷い目にあっては堪らない。  ルドーニは、逃げるように駆けだした。  だがしかし。 (酷い目、って言っても、結果としては、とろっとろの淫乱ヴァフィちゃんがムフフだったことだし?)  でもやはり、彼はあの凛々しく清楚なところが魅力なのだし、とルドーニはやはり駆け足を緩めることなく、去って行った。

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