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第十章・3
悪い予感に胸を痛めながらも、ドアを開けると何でもない顔をしてルドーニがにやけていることを願っていた。
あれ? もしかして、心配してくれた? などと笑いながら。
しかし、私宅のドアをノックしても、名前を呼んでみてもルドーニが出てくる気配はない。
室内に入ると、空気が冷たかった。
今日になってから、暖炉に火を入れた様子がない。
こんなに冷える朝なのに。
やはり寝込んでいるのかと、寝室を開けてみた。
閉められたままのカーテンから薄く光が差し込み、奥のベッドには確かに人が横たわっていた。
「ルドーニ?」
返事がない。
ベッドに近づき、そっと覗き込んでみると、ようやく寝ていたルドーニが身じろぎした。
「あぁ? ヴァフィラ?」
「どうしたのだ、ルドーニ」
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