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第十章・11
ようやく唇を離した時には、ヴァフィラの頬はすっかり染まっていた。
まるでルドーニの熱がうつってしまったようだ。
照れる気持ちを隠そうと、ヴァフィラはルドーニの額に、つん、と指を当てた。
「これで本当によくなるな?」
「へへ、違いない」
だけど、とその指を握って咥えてくるルドーニ。
「添い寝してくれれば、今すぐ治るかも~♪」
「調子に乗るな!」
だが、軽口が叩けるようになるくらいは回復したのだ。
ほっと一安心すると、ヴァフィラはにっこりと笑った。
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