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第十章・17
ゆっくりと浮かび上がってくる意識。
何か動いている。
胸元に触れる、柔らかな感触。
それがルドーニの髪だということに気づくまで、しばらくかかった。
ひくり、と甘く鋭い感覚。
半ば眠った心地で目を向けると、ルドーニが夢中でむしゃぶりついてきているのだ。
「どうした?」
返事もなく、ただ胸にすがりついてくるルドーニ。
唇で吸い、舌を這わせ、はぁはぁと息が荒い。
腕を背に回してみると、その肌の病的な熱はすっかり引いている。
たくましい若い体は健康を取り戻し、ただ求めてくる。
「……ヴァフィ。ヴァフィラ」
余裕のない声で名前を呼ばれると、ヴァフィラの体にも火が灯る。
擦りつけられる下半身はすっかり硬く張りつめ、嫌でも意識させられる。
いつもより長く、胸を、乳首を嬲られる。
愛撫はいたってシンプルだ。
ただ、吸ってくる。
時折甘噛みしながら、ひたすら吸ってくる。
「ん……あぁ」
静かに声を上げると、ルドーニは服を脱がせてきた。
珍しいことに、彼はすでに裸体だ。
すっかり生まれたままの姿で、ヴァフィラにもそれを求めてくる。
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