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第十二章・11
さすがにこの座禅というものは、ルドーニの性格には合わないらしい、とイジェスは感じていた。
動く方が得意ならば、それに合わせた特訓も組み合わせることが必要だろう。
「ルドーニ、この石を私に向けて投げてみなさい」
こぶしほどの大きさの石。
当たれば確実に痛そうだ。
「いいのか? お師匠」
「構わん。思いきり、投げてみろ」
当たっても恨みっこなしだぜ、とルドーニはイジェスに向けて石を投げた。
腕力はすでに人並を超えるルドーニの投げた石は、唸りを上げてイジェスを襲う。
だがしかし。
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