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第十二章・13
「やるぜ、お師匠! いつでもどんとこいだ!」
とたんに、ルドーニの額に石がぶつかってきた。
「ッてぇ!」
突然何すんだ、と怒るルドーニに、イジェスは涼しい顔だ。
「いつ、石が飛んでくるか解からんと言っただろう。油断は禁物だぞ、ルドーニ」
「ちぇッ」
面白いと感じた修業だったが、なかなかにそれは難儀だった。
なにせ、水の入った桶を両手に下げて歩いている最中にも、後ろから石が飛んでくるのだ。
こぶだらけになりながらも、オーラを目覚めさせることのできないルドーニ。
今日もまた石を喰らって面白くない顔をしていると、珍しいことにヴァフィラがイジェスの神殿へと降りてきた。
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