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第十二章・18

『オーラを高めその身にまとえば、それはちょっとした防御壁にもなる。ある程度の攻撃なら無効にしたり、その威力を弱めたりすることができる』 (オーラ! オーラを高めて防御するんだ!)  腕や顔を腫らして木から下りれば、ヴァフィラは罪悪感にさいなまれるに違いない。  大好きな彼に、そんな思いはさせたくない。  それに、そんなカッコ悪い姿は見せられない。 (心を鎮め……宇宙を感じ……それとひとつに溶け合う……。自分の体内に……宇宙を感じること……)  無数の蜂に襲われるルドーニをハラハラしながら見ていたヴァフィラは、煙の中に淡い金色の光を見た。  眩しく輝くニコルスのものとは違い、まだ微弱ではあるが、美しい金色のオーラ。  あれは……、ルドーニのオーラ? 『俺はそのうち、お師匠の後を継いで、最強の大魔闘士になるんだ!』  いつかルドーニが言っていた言葉が思い出された。  金色のオーラ。  それをまとう彼は、間違いなくその器なのだ。

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