298 / 459
第十二章・20
「ッてぇ!」
「大人しくせんか、馬鹿者」
ルドーニを待っていたのは、師匠の説教と痛い治療だった。
すり潰された青臭い薬草を刺されたところに塗りこまれると、飛び上がるくらい染みて痛い。
「俺はもういいから、自分でやるから。それより師匠、ニコルスの様子、診てきてくれよ。具合が悪いらしいんだ」
「ニコルスが? しかし、なぜお前がそれを知ってる」
「え~あ~、まぁ、何というか。オーラ? そう、オーラで感じるんだよな!」
またバレバレの嘘を、と思いつつも、イジェスはニコルスを訪ねた。
驚いたことに彼が伏せっているのは事実で、ヴァフィラと共に、彼の具合が少しでも良くなるようにといろいろと世話を焼いた。
ともだちにシェアしよう!