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第十三章・2
「はい、これは今回の出張みやげ! 一緒に食べよう♪」
弾んだ声でナッカが差し出したパッケージに、ディフェルは思わず苦微笑していた。
日中にディフェル宅へやってきて、そのままディナーまで居座り続けたナッカ。
お土産がある、と言いながらも夜まで勿体ぶって見せなかった理由が、今ようやく解かった。
一目で菓子折りと解かるそれには、こう書いてあったのだ。
『夜のお菓子 うなぎパイ』
「ハママツ公国の、名物だってさ」
そんな風にさりげなさを装ってはいるナッカだが、パンをちぎってはチラリ、スープを掬ってはチラリ。
そんな風に、ディフェルの反応を窺っている。
要するに、だ。
ナッカはこの『夜のお菓子』という部分を、“精力増強”と勘違いしているのだ。
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