307 / 459
第十三章・3
元はと言えば、出張や旅行のお土産として家庭に買って帰ったその夜に、一家だんらんのひとときをこの『うなぎパイ』で楽しんで欲しい、との願いを込めて考案されたキャッチフレーズである。
それを博学なディフェルが知らないわけはないのだが、ナッカにこうまで期待されると無碍にもできない。
ここはひとつ、乗ってみる事にした。
ディナーを終え、デザートとしてこのうなぎパイを2つほど食べた後、ディフェルはまるで酔ったかのように、熱く甘くナッカを誘ってみせたのだ。
「なぁ、ナッカ……」
「なッ、何なに!?(なンかディフェル、色っぽいけど!?)」
「少し……、熱いな」
「うんうん、俺もそう思ってたとこ(溜息とか、エッロ~♪)」
「食器の片付けや、水浴が先なんだろうけど……」
「そうか?(いやもう、そんなの明日でも明後日でもいいって!)」
「おかしいな……。何だかもう、我慢できないんだ」
と、ここでディフェルは白い首筋をうんと伸ばしてナッカに口づけた。
「行こうか、ベッド( うなぎパイ! Σd(゚∀゚d)オウイエ!! )」
内心少しだけ舌を出し、ディフェルはナッカと共に寝室へ入った。
もちろん、いつもよりやや乱れてみせた。
ともだちにシェアしよう!