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第十三章・9
今、ヴァフィラは定例の体調不良に陥っている。
毒を生み出すオーラを持つ魔闘士の持病のようなものだ、と本人はルドーニに心配かけまいと強がっている。
しかし太陽や月、星の巡りによっては高熱を発したり、場合によっては死に至るほどの深刻な症状を引き起こす事は、痛いほど知っているルドーニだ。
見舞いには来ないでくれ、というヴァフィラの言葉を尊重して手紙や贈り物で済ませていたが、それももう限界に近かった。
会いたい。
声を掛けたい。
無理して会話をしなくてもいいのだ。
ただ、その無事を確認したいのだ。
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