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第十三章・12
ばかやろ、とルドーニはナッカの頭を軽くはたいた。
「具合が悪いってぇ時に、おセッセに誘ってどうすンだよ!」
そうじゃなくって、とナッカはお返しにルドーニの足を踏んだ。
「これをヴァフィラに、旦那が自ら渡すんだよぉ。病気なら精をつけなきゃ、ってさ。遠いハママツ公国の名物だぜ? ちょっとクラッとくるんじゃね?」
少々皮肉めいたその言いぐさは、ヴァフィラが見舞いに来るなと言ったから、とその言葉を真に受けて、会いに行かない俺を笑ってのものなのか。
癪な話ではあるが、病に伏せるヴァフィラをいたわってあげられるものなら何でもありがたい。
ルドーニは、ここは素直に彼の好意を受け取ることにした。
「いいのか? いくらだった。払うぜ、代金」
「いいってことよ! それより、うまくやれよ?」
ニンマリと笑うナッカの目つきが、やはりエロい。
やれやれと感じながらも、ルドーニは彼に礼を言うとその足でヴァフィラの元へと向かった。
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